QOL FOR DOG

「高齢犬」のためのQOL

(1)定期的な「健康診断」

 

 犬も7歳を過ぎると、様々な病気にかかりやすくなります。年1~2回、定期的な健康診断で、早期発見・早期治療に努めましょう。
 動物病院で行われる検査には、寄生虫の有無や便への出血を調べる便検査。腎臓病や尿石症をチェックする尿検査。血液検査には、赤血球・白血球・血小板の数・量を調べる一般検査、各臓器の機能異常を調べる生化学検査、フィラリアやバベシア原虫の有無を調べる寄生虫検査があります。さらに気になる症状がある場合は、獣医師の判断によって、レントゲン検査や超音波検査なども行われます。

(2)年1回の「ワクチン接種」

 

 抵抗力のない高齢犬は、若い犬より病気に感染しやすく、症状も重症化しやすいので、年1回のワクチン接種は特に重要です。現在、ワクチンがあるのは以下の病気で、6~8種の混合ワクチンを接種するのが一般的です。

●犬ジステンパー
●犬伝染性肝炎
●犬アデノウイルス2型感染症
●犬パラインフルエンザウイルス感染症
●犬パルボウイルス感染症
●犬コロナウイルス感染症
●犬レプトスピラ感染症(イクテロヘモラジー型/カニコーラ型/ヘブドマティス型)

 また、年1回の狂犬病の予防接種は法律で義務づけられているので、必ず受けてください。

(3)「内部・外部寄生虫」の駆除・予防

 

 寄生虫には、体内に寄生する「内部寄生虫」と、皮膚や毛の根元などにつく「外部寄生虫」があります。
 犬に多い内部寄生虫には、犬回虫、鈎虫、鞭虫、犬条虫など。腸管内に寄生して、下痢や腹痛、嘔吐、貧血などの原因となります。また、蚊が媒介するフィラリアは、心臓に寄生し、放置すると死に至る恐い寄生虫です。
 一方、外部寄生虫の代表的なものはノミとダニ。吸血によって激しいかゆみや皮膚トラブルを引き起こしたり、マダニのようにバベシア症という危険な病気を媒介するものもあります。
 抵抗力のない高齢犬が寄生虫に感染すると、被害が大きくなりがちです。寄生虫のなかには人に感染するものも多いので、動物病院で定期的な検査・検便をして、駆除・予防の徹底を。

(4)高齢犬がかかりやすい病気と症状

 

 高齢犬に多い病気です。初期サインを見逃さないように。

●僧帽弁閉鎖不全症:小型犬に多い心臓病で、咳と息切れがサイン。
●関節疾患:歩き方がおかしい、階段を嫌がる、足に触れると痛がるなどの症状が見られます。
●歯周病:口臭や食べにくそうにしたりします。
     進行すると歯が抜けたり、歯周病菌が内臓疾患を引き起こすことも。
●白内障:階段でつまずいたり、物にぶつかったりすることが増えます。
     水晶体が白濁し、失明の危険性も。
●乳腺腫瘍:乳腺にできるしこり。高齢のメス犬に多発し、良性・悪性比率は半々。
●悪性腫瘍:各種臓器、骨、リンパ、皮膚など、様々な場所にできます。
      一般症状として、しこりや腫れ、食欲不振、体重減少など。

(5)「痴呆」を知る

 

 ペットの長寿命化に伴い、犬にも痴呆が増えています。一般に13歳ごろから始まり、洋犬より日本犬に多いようです。
 典型的な症状として、

●昼夜の逆転
●夜鳴き
●トボトボ歩き
●いくら食べてもやせる
●飼い主の呼びかけに無反応
●前進ばかりで後退できない、などが見られます。

 特に困るのは夜鳴き。痴呆犬は室内を徘徊し、障害物に突き当たると立ち往生し、不安にかられて鳴きます。お風呂のマットをつなぎ合わせて円形サークルを作り、その中に入れておくと、縁に沿って歩き続け、疲れたらそのまま眠るため、鳴き騒ぎを軽減できます。日中、十分な日光浴をさせ、体内時間を元に戻す努力も。なお、痴呆の予防や進行の抑制には、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸の摂取が有効です。

(6)高齢犬期に注意する病気

 

高齢犬になると免疫力や体力が落ちて、さまざまな病気の症状が現れます。主な病気は白内障や腫瘍、関節疾患、歯周病などです。「歳を取ったね」と放っておくのではなく、高齢犬の病気をしっかり把握して、早期発見・早期治療につとめましょう。

骨関節炎 犬ジステンパー 犬パルボウイルス感染症 膿皮症 フィラリア症
※ご紹介する病気は今後も追加する予定です。お楽しみに!

うちの子のための実践QOL「骨関節炎のケア方法」
みなとよこはま 動物病院(神奈川県横浜市)永岡 勝好 先生

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